TP-14  『 懐かし感 』

今週は久しぶりに連泊の出張で成田市に来ているのですが
「なつかしい」という感覚はどこから来るのか、という話。

私は2年ほど前まで、今いるこのホテルをベースに仕事をしていました。
年間100泊くらいはしていたでしょうか。出張とは言え、ほとんど単身
赴任と変わらない状態でした。そんな生活を3年程していたのです。

その後、ちょっと体調を崩してしまい、ここ2年は事務所での仕事をし
ていました。最近ようやく体調も回復してきたので半年ほど前から、少し
ずつ元やっていた外の仕事も担当する様になったのです。

そして、2年ぶりにこのホテルにきたのですが、ホテルに着いた時の感覚
に「えっ」と思いました。
というのは2年前の事が、まるで昨日の事の様に感じられたのです。

そういうことは良くある話ですが、今回は今まで経験したことがない
リアルさで昨日の様に思えた、と言えば良いでしょうか・・・
久しぶりに見るはずの会議室も、廊下も、部屋も、フロントも何もかも
「なつかしい」という感覚は一切無く、つい昨日もここで打合せしてい
たかの様な感覚でした。

仕事が一段落して、ふと考えたのは
「2年ぶりに来てこの感覚ってことは、じゃあ、なつかしいって思うのは
どういう場合なんだ? 何年かかるの?」ということです。

いくつかのパターンを考えてみると、ある事象を「なつかしい」と感じ
るには、その事象の事が「感覚として」昔の事だと思えることが必要で
「感覚として」昔の事だと感じるためには、ある程度記憶が曖昧になっ
てこないと(忘れないと)ダメっぽい、という気がしてきました。

記憶が鮮明だと、周りの状況でカラダが反応してその当時のカラダの状態
を復元する様な動きをして、感覚としてその当時にトリップする(=昔とは
思えなくなる)効果もあるかもしれません。

それらを今回のことに当てはめると、2年前というのがアタマでは「昔の
つもり」だったのだけど、カラダは何百泊もしたホテルの事を思った以上
に良く覚えていて(記憶が曖昧になっていなくて)昔の事として感じられな
かった上にトリップ効果もあった、ということになるのでしょうか。

ちなみに、このホテルに来て「なつかしい」と感じたのは、会議室のホワ
イトボードに『10dBμより下』と読める消し跡を発見した時でした。
その文字が具体的に何の打合せのメモかは思い出せなかった(記憶が曖昧)
ので「感覚として」昔の事と思え、結果としてなつかしさを感じた。
というところでしょうか。

この「記憶の残り方」と「感覚としての時間経過」の関係は、もう少し
他の場面に当てはめて考えてみるとおもしろいかもしれません。

それにしても、今、目の前の夜景を見ていると「昨日の事のよう」という
感覚と「今自宅に2歳の娘がいる」という事実にアンマッチが生じて
すごく不思議な感じがします。

しかし・・・2年という時間をこれほど無に等しい感覚で感じたのは
上に書いた様なこと以外に「自分が(仕事の面で)成長していない」という
こともあるかもしれませんね・・・あの時と変わってないゾと。(苦笑)
まぁカラダ壊して足踏みしてたのですから、ある意味仕方ないですし
会社の価値観とは別の部分で成長出来てる(ハズ)なのでヨシとしましょう。

さて、あなたの「懐かし感」はどこから来ていますか?

By じんじんさん   [ 2006/01/20 ]  jj@5252.org